投稿者:nemuta
保険料納付要件とは、「ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに(国民年金の)被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。」という部分ですね。
この「保険料納付要件」を「問われることはない」という言葉の意味を
(1) 保険料納付要件によって、障害基礎(厚生)年金が支給されない、ということはない。
と、取るのか、
(2) 保険料納付要件の条文が適用されることはない。
と、取るのかで正誤の判断は変わってしまいます。
20歳未満の者が国民年金の被保険者であり得るのは、第2号被保険者の場合のみであり、第2号被保険者の期間は保険料を納付する必要が無く、すべて保険料納付済期間になってしまいますから、20歳未満の被保険者期間中に初診日のある傷病で障害基礎(厚生)年金の受給を考える場合は、保険料納付要件によって、障害基礎(厚生)年金が支給されないということは、あり得ません。
しかし、それは、「20歳未満の者が国民年金の被保険者である場合、その期間はすべて保険料納付済期間になってしまう」ということから導き出される結果であって、保険料納付要件の条文の適用はあります。
つまり、これらの設問は、「保険料納付要件を問われることはない」という言葉の意味を、(1)に取れば正の肢になり、(2)に取れば誤の肢になります。
ですので、これらの設問は正にも取れるし誤にも取れる設問です。
より論理的なのは(2)ですし、過去の疑義のある出題を、逆の趣旨の出題をすることでカバーするやり方は、過去の社労士試験で何度かあったことですので、H19国年2Aの出題の意図が、H15厚年7Cの曖昧さをカバーするために出題されているのであれば、今後出題されるとすれば(2)の解釈で出されるでしょうが、そこまで考えてH19国年2Aが出題されたかどうかはわかりません。
Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 9.0; Windows NT 6.1; WOW64; Trident/5.0) |
2013/04/25 09:07 |